精油は植物が光合成を行い、二次代謝を行う過程で生成される二次代謝産物です。植物によって蓄えられる部位が異なり、例えば、ペパーミントは葉の部位、ラベンダーは花の部位など、植物によって精油の抽出部位は異なります。また植物の抽出部位は大きく分けて6種類あり、その部位の「役割」と抽出された精油の「作用」の関係性は似ていると言われています。
部位ごとの「役割」と精油の関係
①果実の役割
種子を動物に遠くに運んでもらうために、美味しい果実で誘います。果実からとれる精油は、さわやかな香りのものが多く、消火器系のトラブルが気になるとき、リフレッシュをしたいときに使用します。
【香りの特徴】さわやかな香り
【主な精油】オレンジ、レモン、ジュニパーベリー
②花の役割
花は受粉により子孫を残す役割があります。その為、花から採れた精油は、ホルモンバランスを整えたり、楽しい気分になりたい時などに使用します。
【香りの特徴】華やかな香り
【主な精油】ラベンダー、ゼラニウム、ローズ、イランイラン
③樹脂の役割
樹脂は、幹から出た樹液が固まったもの。幹の傷を癒し、菌などから守る働きがあります。心身をいやしたい時に使用します。
【香りの特徴】個性的な香り
【主な精油】ミルラ、フランキンセンス
④葉の役割
光合成によって植物に必要な栄養を作り出すとともに、人間や動物に必要な酸素を生み出します。スッキリとリフレッシュや抗菌したいときに使用します。
【香りの特徴】スッキリとした香り
【主な精油】ペパーミント、レモングラス、ローズマリー
⑤幹の役割
根から枝葉に栄養分などを送る運搬路であるとともに、植物を支える背骨のような役割をしています。リラックスしたいとき、心を鎮めたいときに使用します。
【香りの特徴】森林を思わせる香り
【主な精油】ユーカリ、サイプレス、パイン
⑥根の役割
地中から水や栄養分を吸い上げると同時に、植物をしっかり支える土台の役割をしています。心を落ち着かせたい時に使用します。
【香りの特徴】土のような深い香り
【主な精油】ジンジャー、ペチパー
成分が異なる「ケモタイプ」
精油の中には、ローズマリーのように、同じ植物でありながら、精油の構成成分が大きく異なることがあります。これをケモタイプ(科学種)と呼び、それぞれで特有の香りや効能があります。
■ローズマリーのケモタイプの例
ローズマリー・カンファー、ローズマリー・シネオール、ローズマリー・ベルべノン
精油を選ぶ時のポイントに
精油を選ぶ時に、植物の部位ごとの役割を思い出すと、作用のイメージもしやすくなり、精油選びも楽しくなると思います。精油を選ぶ際のポイントの1つにしてみてくださいね。